主催: 国立研究開発法人 科学技術振興機構, 一般社団法人 情報科学技術協会
p. 165-170
日本特許庁から提供されている「中韓文献翻訳・検索システム」には、中国・韓国特許文献が機械翻訳で日本語に変換されて収録されている。そのため、公報番号を入力するだけで、誰でも中国・韓国特許文献を日本語で査読できるようになった。このことは先行技術文献調査やSDIの場面における進歩である。
ところが、同システムにおいて未収録があったり、誤訳を含んだまま収録されていたりするならば、査読に支障するだけでなく公報テキスト検索において検索漏れの原因となりうるため、収録率や機械翻訳精度を向上させることは同システム構築上の重要なポイントである。
同システムの誤訳事例の解析から、原語の文法や表記法が誤訳に大きく影響することが分かった。そこで、原語別に同システムの誤訳傾向と翻訳精度向上に必要な事項を紹介する。また、ユーザーの立場から同システムの翻訳精度向上が可能か試行して報告する。