情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集
第19回情報プロフェッショナルシンポジウム
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02
ジャーナル・インパクトファクター利用の実態を文献に見る:
ライデン声明前後の比較分析
棚橋 佳子
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p. 7-11

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抄録

ジャーナル・インパクトファクター(JIF)の利用の実態を探求するためWeb of Scienceより、著者抄録および著者キーワードにJIFの記述がある文献を抽出して、著者抄録にJIFの用途・JIF記述の目的を調査した。研究者の採用・昇進・資金助成等の評価指標として、JIF等の定量的指標を一律に用いることを慎むべきとする提言が近年相次いで出されたことにより、JIFの利用に変化が生じたかを調べるため、2011年、2016年、2021年の各1年間を対象に抽出比較分析した。JIF記述の文献は提言発表後も増加傾向にあるが、その内容には変化が見られた。提言発表後はJIFの誤用、利用注意喚起の文献やJIFの補正・代替開発目的の割合が減り、本来の主要な書誌分析活用である、JIFを特定の主題分析に用いる文献、特定の分野の主題・動向分析の文献抽出基準に用いる目的の割合が増加した。ジャーナルの論説などでJIFを発表する文献が減ったことにも提言の効果が出たことが示唆された。

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