2018 年 18 巻 p. 24-34
クラウド技術の発達等に伴い、刑事事件の捜査の過程において外国に蔵置されるデータを取得することの適否について、我が国において複数の裁判例が出てきているところ、米国において域外リモートアクセスを認めるCLOUD法が制定・施行された。同法は、米国による直接的な域外執行を認めた一方で、外国政府による包括的な事前の行政協定に基づく米国に対する域外執行を認めるが、本稿では、この法律の内容を概観するとともに、同法の非互恵性及び各国データ保護法制との抵触にかかる問題点についての考察を試みた。