医療
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非ホジキンリンパ腫に対する化学療法の検討
田中 岑也藤原 義久中出 泰充田中 正夫広田 豊後藤 寿美子
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1982 年 36 巻 1 号 p. 22-26

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抄録
非ホジキンリンパ腫24例をLSG分類を用いて組織分類した. 各組織型ごとに臨床病態, 化学療法の効果について検討した. 組織分類の結果は6例がろ胞性リンパ腫, 18例がび漫性リンパ腫であつた. 24例中20例が病期III以上であり, 病期については差がみられなかつた. 白血化例が4例あり, いずれもび漫性リンパ腫に分類された症例であつた. 多形細胞型に分類された3例のうち1例も白血化はみられなかつた. 血清免疫グロブリンの多クローン性増加が4例にみられたが, そのうちの2例は多形細胞型であつた. 24例全例が治療としては化学療法が行われた. 6例のろ胞性リンパ腫の症例は全例完全寛解に達し, そのうち1例が死亡しているのみである. び漫性リンパ腫18例中11例に完全寛解がえられた. 化学療法の効果が良好であつたのは混合型であつた. び漫性リンパ腫18例の50%生存期間は約15ヵ月であり, ろ胞性リンパ腫に比べ明らかに短かつた
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© 一般社団法人国立医療学会
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