抄録
常染色体劣性遺伝型式を示す先天型筋ジストロフイー症(福山型)の, 異常表現の主なものとして, 脳障害, 筋萎縮があげられる.
これらの発現の原因として, 遺伝子の変異や複製の誤りなどが考えられるが, このような遺伝子表現の機構についてよく分つていない. 国立療養所西多賀病院外来を来訪したFMD患者(5名)とその両親並びに健常者のリンパ球を培養し, 染色体を分染法(Gバンド, 複製バンド)で形態的に観察した. また, SCEの出現率を染色体分布で調べ, 疾患との関連性, 脳障害との関係について検討した.