医療
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腫瘍性疾患および先天性心疾患患児に対する対症療法としての漢方療法
安達原 曄子市村 一義横田 史津子三枝 伸子
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1982 年 36 巻 4 号 p. 377-380

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抄録
腫瘍性疾患や先天性心疾患は, 小児性領域でも特に全身衰弱を来しやすい疾患である. 前者ではとくに抗腫瘍剤の副作用による衰弱も大きな問題である. これらの問題に対しては, 漢方方剤の併用により一層の治療効果をあげることが出来ると考えた. 最近5年間で, 急性リンパ性白血病5名, ヒスチオサイトーシスX1名, 先天性心疾患3名に対して証に基づいて選んだ漢方方剤を西洋医学的治療に併用した.
5名の急性リンパ性白血病のうち3名は今もつて生存しているが, 再発もない. とくに柴胡桂枝乾姜湯を投薬した場合に, 免疫グロブリンが正常化する傾向がみられ, 全身状態が改善し, 体重増加が著しい. 先天性心疾患においてもVSDの1例では遅延していた精神運動発達が柴胡桂枝乾姜湯の投与により促進された. また総肺動脈管遺残の1例に冬には真武湯, 夏には清暑益気湯を用いたところ, 浮腫がなくなり, 利尿剤を中止できた.
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