抄録
肥満糖尿病患者の管理の目的は患者の体重を理想体重まで減少させることである. 体重が減少することで糖尿病は良好なコントロールが得られ, 合併症の予防にもなるからである. 体重減少のために著者らが実施した調査, 経験より重要であることを食事療法を中心として記載する.
1. 肥満型糖尿病患老の治療には長年月が必要であり, とくに10年以上治療した例に標準体重化する比率が高くなる.
2. 体重減少には減食療法が必要であるが, 長年月治療するためには, 日常生活を快適に過ごせる熱量が必要である.
3. 食事療法を正確に実施するために最も重要なことは空腹感を克服することであるが, 約80%の例が1ヵ月以内に空腹感に適応できるから, 患者には十分にこのことを説明して, 空腹の苦しみに耐えさせることが必要である.
4. 定期的通院が体重減少のために重要である