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精神科領域のめまい
平山 皓
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1983 年 37 巻 2 号 p. 149-158

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抄録

過去5年間の国立立川病院めまいセンターからの紹介例, 23例につき精神医学的に考察した. これらにつきめまいの特徴, 診断上の注意, 治療方法を文献例と比較して記した.
1) てんかん群は, 15例中13例が側頭葉性てんかんであり, 次の4群に分類された. I群はてんかん性めまいの可能性大. II群は恐らくてんかん性めまいの可能性. III群はてんかん性めまいの可能性小. IV群は非てんかん性めまいと推定され, 神経症的傾向が大である.
2) 神経症群のめまいでは, 症状は不安定な存在状況の身体的投影とみられ, ばく然とし, かつ多彩で, 訴え方の熱心さは依存性を示す.
3) 抑うつ状態では, 多様な心気症の中に, 軽い抑うつ気分の変化を読みとることが重要.
4) 分裂病性めまいでは, 奇怪で非現実的特徴と, 対人関係の障害に注意すべきである.
5) 各種の精神科治療薬剤の副作用による, めまい感の発現頻度を一覧に示した.

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© 一般社団法人国立医療学会
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