医療
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てんかん患者の心理社会的問題
―悩みの分析から―
井上 明子井上 有史鈴木 節夫渡辺 裕貴八木 和一清野 昌一
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1989 年 43 巻 11 号 p. 1157-1162

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抄録

成人てんかん患者200人に意識調査を行い, 悩みについて分析した. 悩みとして選択された項目をクラスター分析により8種に分類した. 1. 発作をめぐる悩みはもつとも多く, 続いて, 2. 社会の無理解, 3. 結婚の悩み, 4. 就職の悩み, 5. 抗てんかん薬の副作用, 6. 治療継続の負担, 7. 対人関係・性格の悩み, 8. 日常生活・家庭での悩み, の順であつた. 1の発作をめぐる悩みはさらに3群, 1)発作発生の予測困難, 発作中の行動の不安, 2)社会を意識した悩み, 3)身体へ向かう悩み, に分けられた.
これらの悩みの選択と, 患者の病態および調査票の他の質問項目の回答との関係を検討し, てんかんの心理社会的問題の背景を考察した.

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© 一般社団法人国立医療学会
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