医療
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札幌市における神経芽細胞腫マス・スクリーニングの経験と問題点
武田 武夫島田 昌子畑江 芳郎中舘 尚也畑山 由紀子佐竹 明遠藤 真理
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1989 年 43 巻 5 号 p. 533-536

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抄録

札幌市における神経芽細胞腫のマス・スクリーニングも7年を経過し, この間104,780人の乳児について検査し, 19人の本腫瘍を発見した. 発見頻度は約5,500人に1人である. またスクリーニング時陰性群からのちに発病した症例は5例あり, 発病時にはVMA, HVAともに高値を示していた. これらのことから一部自然退縮するものも含まれている可能性はあるが, ほぼ1/2-2/3の症例が救われているであろうと推定した. さらに偽陰性例を救うには12ヵ月時の再チエツクも必要であろうと考える. また臨床症状, 染色体の面からも, これらの症例は一様ではないと思われ, lp異常を示したが良好な経過をとつている症例を報告した.

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