医療
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リドカイン持続点滴静注における薬物体内動態解析
小竹 武小森 勝也関山 常久中野 為夫
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1992 年 46 巻 12 号 p. 990-994

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抄録
10例の急性心筋梗塞患者においてLidocaine持続点滴中の血漿中Lidocaine濃度, α1-acid glycoprotein濃度をそれぞれFPIA法ならびにSRID法で測定した. LidocaineならびにAAG濃度はLid6caine clearanceめ低下, 血漿中の薬物のタンパク結合の変化に伴い, すべての症例で上昇傾向を示した. Lidocaine clearanceをFisherのt-検定で分析したとこち3hr値(0.553ml/hr/kg)と48hr値(0.356ml/hr/kg)を比較してP<0.1で有意差を認めた. AAG濃度とLidocaine濃度は相関係数0.796で相関関係が得られた. 心不全を有する5名のAAG濃度の上昇率は他の症例に比して高く, 回帰式の傾きをt-検定で域較するとP<0.05で有意差が認められた. Lidocaine clearanceが持続点滴時間とAAG濃座に依存しているとして, ベイジァン設定プログラムをCp=D/(α・weight-β・AA-γ・t)の式で定義した. Lidocaine点滴投与量の設定は次の平均的な式, 心不全群はD=CP・(0.439 wt-0.184 T-0.0294 AAG), そうでない群はD=CP・(0,935 wt-0.445 T-0.214 AAG)で規定された.
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© 一般社団法人国立医療学会
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