医療
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無輸血で行ったASDパッチ閉鎖術の麻酔経験
近藤 修清水 幸雄江川 久子大田 里美
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1993 年 47 巻 9 号 p. 695-698

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抄録

今回, 我々は, 本人および両親がエホバの証人信者である患者に対するASDパッチ閉鎖術の麻酔を経験したので報告する.
症例は, 16歳, 男性, 心房中隔欠損症(ASD)のため手術目的にて当院外科入院, ASDパッチ閉鎖術が施行された. 本人および両親との話し合いにより無輸血にて手術を行うこととし血液喪失の軽減をはかるため, 手術中はセルセーバー®を使用した. 術中, 術後とも無輸血で管理し手術後三日目にICUを退室した.
エホバの証人は宗教上の理由で輸血を拒否するため社会に, 特に医療の現場に様々な影響を及ぼしている. 各医療機関では, 患者の意志を尊重しながらあらかじめその対応を考慮しておくことが必要であると考える.

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© 一般社団法人国立医療学会
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