1997 年 51 巻 1 号 p. 17-19
当科を受診した骨髄異形性症候群(MDS)患者27名の臨床検査所見を, 再生不良性貧血(AA)患者の検査所見と比較検討した.
MDS症例では, AA患者と比較して, 貧血の程度に差を認めないにもかかわらず, LDH値の有意な増加を認めた(P<0.01). これは, MDS患者でみられる貧血の原因として, 無効造血が存在することを示唆するものである. 無効造血の原因として, 細胞のアポトーシスが近年注目されている. MDSの場合も, 赤芽球系の細胞が骨髄内でアポトーシスに陥っている可能性が考えられる.