医療
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クロイツフェルト・ヤコブ病とその看護
山内 豊明吉川 博子
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2002 年 56 巻 11 号 p. 677-681

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抄録

Creutzfeldt-Jakob病は比較的まれな神経疾患であり, 亜急性の経過で痴呆, 精神症状, 錘体路・錘体外路症状, 小脳症状などさまざまな中枢神経症状を呈する. 症状が進行するにしたがいミオクローヌス, 高度痴呆, 無動性無言の状態となり, 通常発症後2年以内に死に至る. 孤発性, 遺伝性, 感染性に大別され, 感染性の場合は, ほとんどが医原性の感染であり, 患者に常時接している家族にCJDが発症したという報告はない. しかしながら感染性の疾患である本疾患に対しての, 病室, 手洗い, 器具の扱い, 身体清潔, 食事, 汚染物の扱い, などに関する正しい感染防止の知識は不可欠である. その一方で, 過剰な感染対策にならないよう, 感染性そのものについて十分に理解して対応することも重要である. 本疾患については, 疾患概念ならびに患者やその家族などの立場を理解し, かつ医療従事者や他の患者に感染させないことが鍵となる事項であろう.

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