医療
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シンポジゥム:独立行政法人化に向けての薬剤業務の将来像
武藤 正樹遠藤 一司
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2004 年 58 巻 7 号 p. 408-409

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抄録

医療における薬剤師の業務は, 調剤を主にしていた業務から大きく変化をしている. 薬剤師による薬物療法における医薬品の適正使用に果たす役割が期待されている. また, 病院運営の面からは, 医療の効率化や経営の効率化への貢献も求められている.
シンポジウムでは, 全国国立病院療養所薬剤部科長協議会による「独立行政法人における薬剤部門のあり方検討会」報告について, 検討委員の立場から立石が薬剤部門の今後の方向を示した. つぎに, 医療サービス, ジェネリック医薬品の使用促進および医薬品在庫等の病院経営面からの薬剤師の取り組みについて, 長谷川が実績を含めて業務のあり方を示した. 長谷部は国立病院療養所の薬剤部門を指導してきた経緯から, 従来から取り組んできた薬剤部門の5本柱や独立行政法人化以降の業務への取り組みにっいて言及した. また, 関口は, わが国における病院薬剤師に関する教育問題や薬剤師配置問題などを含めて, これからの病院薬剤師のあるべき姿について提言した. 最後に, 医師の立場からチーム医療の一員としての病院薬剤師の現状と今後の期待される薬剤師像について述べた.
政策医療を推進する国立病院における薬剤師は, 医療チームの一員として専門性を発揮し, 国立病院間のネットワークを活用し, 医薬品の適正使用いわゆる患者安全の確保において中心的な役割を果たしていくことが期待された.

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