システム制御情報学会論文誌
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受動的適応ループによる適応観測器の構成
井上 和弘大場 和久川野 肇井上 和夫
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1989 年 2 巻 4 号 p. 128-134

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抄録

動特性が未知であったり, パラメータが変動したりするようなプラントに対して'も内部状態が推定できるように, 状態観測器にパラメータ同定器部分を設けて, 変動するパラメータを同定しつつ内部状態を推定する適応観測器が提案された.しかし従来の適応観測器は, 状態推定に要する時間についてはパラメータ同定に一定の時間が必要であり, 従って入力に対するプラント出力の整定時間に比べてパラメータの変動が周期的に頻繁に起こる場合には適応困離となる.
本論文では, 補償要素に近似逆関数を使った受動的適応ループを用いることにより, 変動するパラメータを同定することなく内部状態を推定できる, 入力のリッチネス条件を満たす必要のない構成の容易な適応観測器を提案するものである.

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