抄録
Aspergillus fumigatus のアゾール耐性株の増加をうけ,新たな治療戦略の必要性が高まっている.脂質異常症治療薬であるスタチンはin vitroで抗真菌作用を有すると報告されている.そこで我々はA. fumigatus のカイコ感染モデルを用いて,itraconazole(ITCZ)+ pitavastatin(PIT)の併用療法について検証し,in vivo の効果について報告した.同研究では,生存評価,病理学的評価,qPCR による体内菌量評価の複数の方法により,併用療法の有効性を確認することができた.多くのスタチンと比較し,PIT は薬剤相互作用が少ないとされ,PIT とITCZ の併用療法はアゾール耐性克服に向けた治療法として,有望な選択肢となる可能性がある.本稿では同研究の概略について述べさせていただく.