日本医真菌学会雑誌
Online ISSN : 2434-5237
Print ISSN : 2434-5229
総説
日本で分離されたテルビナフィン(TBF)耐性皮膚糸状菌の動向
2024年の疫学調査結果を加えて
加納 塁
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2026 年 67 巻 2 号 p. 41-44

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抄録
 2020年から国内の複数病院に受診した白癬患者から分離された皮膚糸状菌について,テルビナフィン(TBF)耐性株の疫学調査を実施している.白癬患者(1,019例)から1,019株を分離した.分離部位の多い順から足白癬(62.4%),爪白癬(13.4%),体部白癬(15%),股部白癬(7.3%),手白癬(1.6%),顔白癬(0.2%),頭部白癬(0.1%)であった.分離菌種として,Trichophyton rubrum(62.4%),Trichophyton interdigitale(37.4%)そしてTrichophyton indotineae(0.2%)であった.
 26株がTBFに耐性を示し,全株にスクワレンエポキシダーゼ(SQLE)遺伝子変異が認められた.またTBF耐性株分離後の治療は,アゾール系抗真菌薬の内服・外用で改善・治癒したが85%,SQLE阻害薬(薬剤自体は別に変更)の外用で改善したが3.8%,治療不明が8.7%であった.アゾール系抗真菌薬に切り替えると改善・治癒したことが確認された.TBF耐性株の割合として2020年(2.3%),2022年(1.4%),2023年(3.2%),2024年(3.3%)と増加傾向にあって,2022年からT. rubrumに加えてT. interdigitaleの耐性株も分離されるようになった.さらに,in vitroでTBF耐性T. rubrum株を作成し,そのゲノムシーケンスによる耐性機構の検索を行った.
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