抄録
連続的な濃度階調が可能である昇華型熱転写方式は,銀塩写真に近い画質が得られる方式である.しかし,プロセスの特性がばらつくとハイライトの階調特性が劣化し,ハイライトのトーンジャンプや色の飽和等の画質劣化が発生する.
本稿は,ハイライト領域の階調特性を改善することを目的とするハイライト誤差拡散法,およびその手法を昇華プロセスで実現する際に課題となるミクロ濃度の安定化について述べる.着目画素の周辺での平均的な密度を元に,画素に与える熱量を補正するアルゴリズムである.
提案手法は,視覚的に粒状性が視認されずにハイライトの階調特性を改善できる.