日本画像学会誌
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Imaging Today
軟包装市場におけるインクジェットプリンタ技術
佐藤 武彦
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2016 年 55 巻 5 号 p. 572-577

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抄録

軟包装は,瓶や缶に比べて軽量で廃棄物の嵩が少ない特長を有しており,生産量は漸増傾向にある.近年のライフスタイルの変化や流通の多様化に伴って印刷加工の小ロット・多品種・短納期化のニーズが高まっており,既存のグラビア印刷方式に対し,小ロット生産に対応した新たな印刷ソリューションが待望されている.軟包装用印刷分野におけるデジタル化は未だ黎明期にあるものの,液体トナー印刷機の市場導入などの動きが始まっている.富士フイルムは速乾性に優れるUVインクジェット方式を用いて印刷スピードの向上に取り組み,(1)インク非浸透基材上でのインク滲み,(2)残存モノマーに起因する印刷物の臭気の課題解決のため,特殊下塗りとUVインクの低臭気化技術 (高感度UVインクと高速窒素パージ) を新たに開発した.本技術 (EUCON : Enhanced undercoating and nitrogen purging technology) をロール搬送のシングルパスシステムに組み込み毎分50mの搬送速度を達成した.今年は,水性インクを用いたインクジェット技術も発表され,軟包装印刷のデジタル化の技術開発が活発化している.

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© 2016 一般社団法人 日本画像学会
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