日本画像学会誌
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ハンセン溶解度パラメーターと浸漬仕事を指標としたカポック繊維への機能性材料内包方法の最適化
片野 未咲子梅澤 史人木山 修一吉成 伸一前田 秀一
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2017 年 56 巻 5 号 p. 497-501

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抄録

カポック繊維は内径約18μm,外径約20μmの半透明な天然中空繊維であり,80%以上の中空率を有するなど,人工的に作製された合成中空繊維にはない特徴を持っている.当研究室ではこの点を生かし,磁性材料,クロミック材料などの機能性材料をカポック繊維に内包し,更に紙に漉き込む事でリライタブルペーパーや偽造防止用紙などを開発してきた.これらは,機能性材料を溶媒に溶かしカポック繊維中空部に内包させることを含む工程を通して作製されるが,この工程ではカポック繊維の内壁表面と溶媒,機能性材料の親和性の高さが重要である.本研究では,その指標としてハンセン溶解度パラメーター (HSP) と浸漬仕事 (Wi) に着目し,未処理カポック繊維およびアセチル化等による表面処理をしたカポック繊維についてHSPとWiを推定し,機能性材料の内包に最適なカポック繊維の表面処理や溶媒の組み合わせについて検討を行った.

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© 2017 一般社団法人 日本画像学会
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