日本画像学会誌
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Imaging Today
固有の際立った優位性を有する製紙産業
辻本 直彦
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2017 年 56 巻 5 号 p. 519-524

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抄録

紙の強度の源は何かという話の中で,とりわけ紙の強度発現を支えているのは,紙を構成している1本1本のパルプ繊維の微細構造にあることを説明した後,製紙産業の三大優位点について,まず紙は地球環境にとって善である点に関しては,炭酸同化作用により合成された木材繊維が紙の原料であり,カーボンニュートラルという考え方によると,使った分だけの木を植林する限り,紙は地球に対して善と結論することができる.二番目に,製紙産業は我国最大のバイオマスエネルギー産出者である点が上げられる.我国の全製紙産業の黒液による発電量が,原子力発電の2.5基分に該当し,他産業を圧倒したバイオマスエネルギー消費者でもあること.三番目に紙が超長期情報保存媒体であるという点は,正倉院文書が1200年以上保存され,現在でも,書かれた文字を読むことが出来,描かれた絵を鑑賞することが出来るという事実がこの優位な点を証明している.

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© 2017 一般社団法人 日本画像学会
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