インクジェットプリンターが産業用途に使われるようになってから久しく,カラーインクを白い用紙に印刷するだけでは,「新しさや違い」が得られなくなっている.「新しさや違い」=高付加価値を生み出すためにはカラー情報以上のものを付加すること,言い換えると一目見た時に「おやっ?」と思わせる新しいファクターが必要不可欠であった.
高付加価値印刷はその様な状況を打開する画期的な技術であり,インクジェットプリンターでは主に特殊なインクを使用した様々な手法が各社から提案されている.高付加価値印刷の発展により,従来の平坦な印刷が立体的になる,高級感を持つ,魅力的な表現に変わるなど,ワンランクアップした質感の表現が可能になる.
本稿では,高付加価値印刷を生み出すインクジェットプリント技術の変遷と最新動向を,弊社での例を挙げながら解説する.