日本画像学会誌
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極性有機分子の自発的配向分極現象を利用したエレクトレット型振動発電素子の動作機構
田中 有弥栗原 啓輔阿部 直矢神宮 彩人村上 晃一森下 浩多鈴木 孝明山根 大輔石井 久夫
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2024 年 63 巻 2 号 p. 176-184

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抄録

近年,エレクトレット型振動発電素子 (Electret-based vibrational energy harvesters (E-VEHs) ) がセンサをはじめとする低消費電力デバイスの自立電源として注目を集めている.エレクトレットは半永久的に電荷,もしくは電気分極を有する絶縁体であり,E-VEHに必須の材料である.しかしながらその作製にはコロナ放電等を用いた絶縁体への荷電が必要であり,E-VEHの生産性を下げる一つの要因になっていた.この課題を解決するために,我々は自発配向現象 (Spontaneous orientation polarization (SOP) ) を利用したE-VEHに関する研究をすすめている.SOPが生じるtris- (8-hydroxyquinolinato) aluminiumや1,3,5-tris (1-phenyl-1H-benzimidazole-2-yl) benzeneの蒸着膜においては,永久双極子が自然と基板垂直方向に平均的に配向し,100nmの薄膜で数Vもの表面電位が発生する.我々はこれら極性有機分子をエレクトレットとして利用することで,荷電処理を一切必要としないE-VEHを開発した.本稿ではSOPを利用したE-VEHの動作機構を紹介するとともに,数値シミュレーションを用いて高性能化の設計指針について議論する.

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© 2024 一般社団法人 日本画像学会
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