1998 年 37 巻 2 号 p. 180-184
我々は,本誌36巻4号,P260-267(1997)の「荷電制御剤(CCA)の作用機構II:速度論的モデルおよび第四級アンモニウムタイプCCAを用いたモデルトナーの速度論」において,二成分系の帯電現象をトナーとキャリア間での電荷移動の平衡過程として帯電速度式を提案した.この中で,高橋らとはまったく異なる結果が得られることを報告した.これに関して,彼らは本誌37巻1号において,我々の速度式の導出過程に問題ありとする反論論文を発表した.そこで我々は,先報における誤りと議論の不備な点を修正するとともに,我々のモデルの正しいことを示す.また,高橋らのモデルおよび速度式の問題点を示す.