国際生命情報科学会誌
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第5回生命情報科学シンポジウム
FDG PETによる全身運動の観察 : ランニング中の脳-筋肉連関
田代 学伊藤 正敏藤本 敏彦藤原 竹彦窪田 和男堀川 悦夫佐々木 英忠
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1998 年 16 巻 1 号 p. 161-165

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抄録

三次元PETは、運動中の脳および筋肉の糖代謝を観察することができる。本研究の目的は、運動中の脳賦活部位を同定することにある。ランニング直後にPETによって撮影された全身画像上に関心領域を設定し、活動の指標であるTRDが下肢筋について算出された。脳画像は全身画像から抽出されたのち、脳画像統計処理ソフトSPM96にて解析された。その際、筋肉の活動に相関をしめす脳内部位の検出を目指した。解析の結果、側頭頭頂後頭連行野および前頭眼野などの新皮質領域、また、海馬傍回、扁桃体、前頭葉眼窩面、前頭葉内側面などの旧皮質大脳辺緑系が筋活動にともなう代謝の亢進をしめした。運動にともなう情動および免疫学的な変化は大脳辺緑系の変化によって説明される可能性がある。

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© 1998 国際生命情報科学会
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