1999 年 17 巻 2 号 p. 318-327
内養功は, 北戴河気功療養院において編纂された気功で, 調息を重視する功法である.本研究では, 内養功の呼吸法I(吸→呼→停止)時の生理変動がその呼吸パターンに起因するものであると仮説を立てた.気功師との比較実験を行うため, 一般人被験者に 内養功の呼吸法と同様の呼吸パターンで呼吸法を行わせ, その際の各種生理パラメータを測定した.気功師と一般人による呼吸法時の生理変動を比較することにより気功師の呼吸法時の特徴について検討した.気功師でみられるR-R間隔の突出が一般人ではみられないことから内養功時の生理変動は呼吸パターンだけに起因するものではないと考えられる.