2000 年 18 巻 2 号 p. 479-487
EQR(emission from quartz resonance)をマウスおよびラットに照射し、体力、腫瘍および炎症に与える効果を検討した。健常ラットの強制水泳における無動時間はEQR照射により変化しなかった。制限食事ラットを強制的に回転するロータロッドに乗せて落下するまでの時間はEQR照射によって延長した。Sarcoma180腫瘍細胞を背部皮下に植え付けたマウスに対するEQR照射は腫瘍細胞増殖を抑制する傾向を強く示した。ラットの後肢踵皮下にカラゲニンを投与して惹起させた炎症はEQR照射により著明に浮腫抑制が起こった。ラットのadjuvant関節炎モデルにおいて、EQR照射は後肢腫脹と疼痛の軽減は認められなかったが、前肢腫脹、虹彩炎、耳介結節、亀頭炎の炎症病変発現の遅延や随伴病変が消失している個体が認められた。以上の結果からEQRは、おそらく、炎症系、すなわち、広義での免疫系に働いて有効性を発現するものと推定される。