国際生命情報科学会誌
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第11回生命情報科学シンポジウム
痴呆高齢者における軽運動の効果
辰巳 恵子足達 義則足利 学横田 芳武播本 雅津子
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2001 年 19 巻 1 号 p. 61-68

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抄録

軽運動が痴呆性高齢者に与える効果を明らかにする目的で、老人病院に入院している痴呆性高齢者にメトロノームのリズムに合わせ鈴を鳴らす軽運動を実施した。分析は客観的指標(ノイロメトリー、血圧、脈拍、皮膚表面温度)から検討し、軽運動とTouchの効果を比較すると、軽運動は上肢に、Touchは下肢にその効果が現れた。また、軽運動は血圧、脈拍を落ち着かせるが、脈拍よりも血圧により顕著な変化が現れることを見いだした。さらに、言語連想検査を上記調査対象者に実施した結果、対人関係や外界への関心などに痴呆性高齢者の性格特性が伺え、客観的指標との関連性については、統計的な処理は検査の性格上困難であるが、客観的データの数値の良いものが、言語連想検査でも刺激語に対して適切に反応する傾向が見られ、客観的指標の妥当性が示唆された。

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