2001 年 19 巻 1 号 p. 152-158
気功師が手かざしを他者に行うと、それをされた部位に温度変化を感じたと答える人がいる。気功師の掌に温度変化があるのか。また、その時の生理について解明するため、次の実験データの分析を行った。実験は、気功鍛錬者を被験者とし、右掌から発気するイメージをさせた。掌皮膚表面温度をサーモグラフとサーミスタにより測定した。また、その時の呼吸パターン、脈派も測定した。その結果、右掌温度は全体的に、安静では上昇、発気イメージでは下降した。この時の呼吸時間と呼吸深度は、安静では短く浅く、発気イメージでは長く深かった。また、発気イメージした右手労宮では温度変化があったが、発気イメージしなかった左手のそれはほとんど見られなかった。