2001 年 19 巻 1 号 p. 179-186
通常の対人情報伝達ルート(視覚、聴覚など)を遮断された2人が日本古来の武道の技、遠当てを行い、その遠隔作用時の受信者の生理データを測定した。実験では、2人を離れた別室に隔離し、無作為・二重盲検条件で1試行80秒間内に1回、送信者が「気」を発信する。この送信者の「気」を感じ取る受信者の手の皮膚表面温度の変化を測定した。多数回試行の加算平均データからは、試行中に受信者の労宮部位の皮膚表面温度の上昇が見られたが、送信時刻前後では、はっきりした温度変化は見出されなかった。