国際生命情報科学会誌
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第12回生命情報科学シンポジウム
感覚遮断状態での対人遠隔作用実験(そのIII)
山本 幹男小久保 秀之古角 智子原口 鈴恵張 トウ田中 昌孝パルホムチュク デミトリ V.相馬 隆郎河野 貴美子
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2001 年 19 巻 2 号 p. 437-452

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抄録

「遠当て」と呼ばれる現象では、武道や気功熟練者(送信者)が非接触で離れた相手(受信者)を激しく後退させる。当研究グループは、送信者と受信者のペアを離れた別室に隔離して、通常の感覚伝達を遮断した無作為・2重盲検実験で、暗示等の心理効果を取り除いても、この現象や生理変化が見られるかを、多数回試行し、実験してきた。日常「遠当て」的訓練をしてきた最初のペアでは、(受信時刻-送信時刻)の時刻差の頻度分布に、0秒付近で大きなピークが形成され、本現象が、統計的有意に生起することを、脳波や皮膚伝導度などの生理変化を含め、1996年以来本誌などで発表してきた。本報では以下を報告する。襲う者は殺気を感じさせない、襲われる者は事前に殺気を感じ防ぐ、という訓練を日常長年してきた上記と別の武道熟達者のペアによる、同様な「遠当て」実験を行った。その結果、時刻差の頻度分布に、時刻差が-41(p=3.7%)、0(13.4)、+36秒(1.3)付近に3つの大きなピークが形成された。ポアソン上側検定結果を括弧内に示す。両側の2つのピークは5%有意である。これらの形成は、本実験前には予想が困難であった。未知な情報伝達機構の存在が示唆される。本実験で行われた、脳波、心拍、手の温度、皮膚電気伝導度に関しては、本号中の本報の次に、5編が続いて掲載されている。

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© 2001 国際生命情報科学会
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