2005 年 23 巻 2 号 p. 292-296
最近、内臓の臓器表面に約40年キム・ボンハンにより見つけられ、命名された管と小体;ボンハン管やボンハン小体が再度検出された。その管と小体の形態学的な性質はいろいろ調べられているが、機能的な面の研究がない。そこで、この論文ではその機能的研究の手始めとしてボンハン管とその小体を流れるボンハン液の化学的分析を行った。キム・ボンハンがボンハン管と小体はアドレナリンのようなホルモン機能と深く関係していると指摘しているのでアドレナリンの存在にまとを絞った。液は限られた試料で低濃度、複合物質がいろいろ含まれており、検出には数々の困難がつきまとうが、キャピラリー電気泳動を用いた液面微量抽出法を用いた。液面泳動10.5分のところでボンハン液からアドレナリンの誘導体(蛍光イソチオシアン: FITC)の蛍光をレイザー光で検出した。このことからボンハンシステムはホルモンの分泌と流れに関係するものと思われる。