2005 年 23 巻 2 号 p. 370-380
哲学、宗教学における意識や魂は、目に見えない測定不能な概念であり、それに対する科学的接近は、カテゴリーエラーに陥りやすく要素還元主義であるという批判がある。スピリチュアリティーに関する学際的研究を通じ、実証科学的方法論と、直接経験から得られる知見をともに尊重しながら、意識研究の真理に接近する具体例を紹介した。安易な折衷主義に陥らず、一見矛盾するような二つの接近は、メタレベル、つまりスピリチュアルな段階で可能となり、研究そのもののあり方がスピリチュアリティーの実現を体現していることになりうる。