2006 年 24 巻 1 号 p. 155-164
PAメソッドの臨床経験及び音響振動療法に関する各機関の研究から、PAによる音響振動の刺激は感覚神経を通って脳に伝えられ、中枢神経、運動神経、自律神経、内分泌系に作用して心と体を沈静化すると考えられている。心の面では、不安・抑うつ・不眠等に明らかな効果が見られ、てんかん患者の症状が改善することもある。また、心理学者であるペトリ・レイコイネンによるPAの刺激に対する脳波の研究では全帯域での振幅の減少が認められ、深いリラックス状態にあることがわかった。このようなことから、PAの刺激は中枢神経系において抑制性神経伝達物質GABAの作動に影響を及ぼす可能性を示唆している。