国際生命情報科学会誌
Online ISSN : 2424-0761
Print ISSN : 1341-9226
ISSN-L : 1341-9226
原著論文
Bio-PK実験における前後効果
小久保 秀之清水 武
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 33 巻 1 号 p. 7-24

詳細
抄録

筆者らは共同研究者とともに2006年以来、白いぼキュウリ切片を生体センサとしてbio-PKの研究を行っており、最近ではキュウリ切片から生じるガスの増加を課題として非接触ヒーリングを実験している。その研究を通じて筆者らは、実験試行の前後に対照試行を行うという標準的な実験デザインが、bio-PK実験では必ずしも有効でないことに気付いた。それは、同一日に1試行30分のヒーリング2試行と、ヒーリング試行の直前直後に無人試行(ダミー試行)を行うと、本来ゼロであるべきダミー試行でJ=約0.1の大きさの異常値が検出されるというものだった。本研究では過去の実験データと新たに実施した実験データを合算し、ヒーリング実験とは別の日に行ったダミー試行のデータと比較することで、この現象を検討した。被験者は公募したエネルギー療法タイプのヒーラー15名(男4名、女11名)で、実験当時の年齢は23〜72歳、平均年齢は44.3歳であった。結果、ヒーリング試行と同一日に実施したダミー試行の平均J値はJ=0.115±0.033(95%信頼区間、n=83)、別の日に実施したダミー試行の平均J値はJ=0.002±0.061(95%信頼区間、n=22)となり、両者の間に統計的有意な差があった(p=.002、両側、Welch検定)。この結果から、ヒーリング実験当日にヒーリング試行の前後1〜2時間に行うダミー試行は、ブランク実験と見なすことができないと結論された。ダミー試行の特異効果の原因は、被験者が実験場所に注意を向けたことによる遠隔作用が有力と推測された。

著者関連情報
© 2015 国際生命情報科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top