2015 年 33 巻 2 号 p. 157-162
現代物理学の進展は、我々の住むこの宇宙が我々の感知する4次元だけでなく、より多くの次元をもって構成されていることを強く疑わせる段階に来ている。一方で現代物理学の根底を成す場の量子論と相対性理論は双方ともが4次元時空に寄って立つ理論であり、この齟齬は今後の理論物理学の発展が、我々の従来の常識をいかなる形にせよ大きく覆す可能性がある事を示唆する。そこには、死後存続に代表されるような、心と脳の関係に絡む困難な事案が含まれるかもしれない。理論物理学の一つの到達であるパラサイトフェルミオンモデルを軸に、人工知能の可否との絡みで、本モデルに内在する可能性について考察する。