2013 年 89 巻 3 号 p. 89-101
本調査は,港湾労働者100名を対象として,港湾における労働者の健康状態,安全衛生の現状と課題を理解することを目的に行った。健康状態に関しては,特にメンタルヘルスの問題に注目し,ストレス関連遺伝子の解析により個人のストレス耐性を評価した。その結果,全体の27.1%にストレス反応がみられ,47.9%の人に軽度から重度の抑うつ状態が見られた。また,遺伝子解析では,s/s型,s/l型の遺伝子型で抑うつ状態となる可能性が高くなることが分かった。各企業とも安全衛生に対するさまざまな取り組みが行われていたが,メンタルヘルス面での問題解決につながる効果的な対策を確認し,講じていくことは今後の課題と考えられた。(表10)