2014 年 90 巻 1 号 p. 14-25
病院看護師の仕事のストレス要因,コーピング特性,社会的支援がワーク・エンゲイジメントに及ぼす影響を検討した。無記名自記式質問紙調査により1,194名を分析した。ワーク・エンゲイジメントを従属変数として重回帰分析を行った結果,共通して役割の曖昧さ,視点の転換が,経験年数1~3年で上司の支援,認知的要求,積極的問題解決,問題解決のための相談が,4~9年で上司の支援,婚姻状況,雇用形態が,10年以上で回避と抑制,婚姻状況,勤務形態が有意に関連していた。仕事の役割を明確にし,適切なコーピングを選択し,上司の支援の充実化を図ることが,仕事に対する活力や熱意が高い職場環境につながる可能性が示唆された。(表6)