2017 年 93 巻 1 号 p. 1-10
某企業の飲酒男性100名に対するクラスターランダム比較試験により,飲酒教材を配布する集団アプローチの効果を6か月後まで追跡した。両群に行った自己スクリーニングはAUDITを含み,介入群54名に提供したセルフ教材は適正飲酒情報と行動変容ワークシートであった。主な評価指標はAUDIT得点,リスク飲酒者(AUDIT≧8点)の比率,問題飲酒者(≧12点)の比率,週間多量飲酒者(≧10合/週)の比率であった。Intention To Treat分析により2群を比較した。その結果6か月後に問題飲酒率は介入群のみが有意に減少し,簡易な集団アプローチでAUDITと問題飲酒が改善される可能性が示唆された。(図3,表5)