9-3 単一画像による顔の向きに依存しない視線推定

抄録

人間は対面している人物や静止した顔画像から,おおよその視線方向を推定することができる.この推定にはその人物に関する知識は必要ではなく,特に、自分を中止しているか否かは,高い確度で判定を行っているように思われる.本研究は、特別な光源や装置は用いずに,1台のCCDカメラにより得られる顔画像から,顔の向きに依存しない視線推定を行うことを目的とする.本手法では、カメラに正対した姿勢でカメラを注視している顔画像から,得られる黒目の位置を基準量として,黒目の相対移動量により他の顔画像の視線推定を行う.本手法は比較的容易に実現可能であるが,多くの被験者を対象とした実験結果から,高い正解率の視線推定を行えることが示された.また,機会と人間との視線推定能力には顕著な差が認められないという結果を得た.