2014 年 68 巻 5 号 p. J213-J216
無線通信システムにおける周波数帯域の枯渇問題への対策として,無線機が自律的に利用効率の低いチャネルを2次利用するコグニティブ無線システムが有力視されている.コグニティブ無線では利用可能なチャネルを探索する際,各チャネルの平均的な占有率が事前情報として有益である.占有率の測定では,定常時における高い測定精度と占有率の時間的な変化への追従性が求められるが,これらを両立する方法は提案されていない.本稿では,占有率の変化を検出する機構と占有率を測定する機構を併用する新しい占有率測定法を提案した.計算機シミュレーションにより,測定精度および追従性の観点で提案法の優位性を明らかにした.