映像情報メディア学会誌
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論文
強度変調放射線治療の線量分布検証における線量分布の高解像度評価
小野 康之近藤 克哉三柴 数
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2016 年 70 巻 12 号 p. J265-J274

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抄録

強度変調放射線治療(IMRT)において,治療の精度を保証するためにフィルムや2次元検出器を用いた線量分布の検証がある.2次元検出器による検証は,フィルムと比較して即時に測定の評価ができ取扱いも簡便であるという利点があるが,得られる線量分布が低解像度であるという問題がある.線量分布の高解像度化はIMRT事前検証に有用で,本論文では,2次元検出器で得た線量分布の分解能を改善するために,一枚超解像法を用いて線量分布を高解像度化して評価する手法を提案する.この高解像度化した線量分布と参考指標とする治療計画装置から得た線量分布との比較評価の結果,提案法により得た高解像度線量分布は,従来法によって高解像度化した線量分布より,臨床評価において重要な標的と正常臓器の境界にあたるエッジの情報がぼけず良く復元でき,ガンマ解析による臨床評価においてもより正確に評価できる可能性があることを示す.

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© 2016 一般社団法人 映像情報メディア学会
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