われわれが提案する映像水中伝送システムは,光中継器を任意方向からの到来光を受光できるよう球体とし,球面上に配置する多数の受光モジュールで受信した信号を振幅合成することで,高いCN比を得ようとしている.しかし,従来の光中継器では,入射角が大きな受光モジュールの出力を合成するため,充分なCN比が得られないという課題があった.本論文は,メカニカル制御による受光モジュールについて述べている.また,傾斜をつけた4個のPDとセパレータを組合せる工夫により,到来光に対して±60度という広角な追尾ができることを示す.さらに,受光角度が大きく異なる4個の受光モジュールを光追尾制御する実験を行い,すべての受光モジュールのCN比が正対した受光モジュールとほぼ等しいCN比に改善できることを確認し,上記の課題を解決した.