珪酸窒化物蛍光体(Ca, Sr)2(Al, Si)5(O, N)8:Euは青色LED用赤色蛍光体として効率が良く,また,他の窒化物蛍光体のように高圧合成が必要でなく,かつ,安価な材料を使って合成可能であることから,われわれはこの蛍光体に着目し検討を進めてきた.しかし,LED点灯信頼性試験においてこの蛍光体が光劣化を起こすことがわかり,これを解決することがこの蛍光体を実用化するための課題となった.この光劣化の改善を行うため,熱劣化改善の手法を参考にしてアルカリ土類の格子位置にBaイオンを導入することの検討を行い,良い結果を得た.また,この赤色蛍光体を黄色蛍光体と組合せて使用することによって高演色白色LEDを実現することができることがわかったので,これらについて報告する.