映像情報メディア学会誌
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特集論文
文字配置と背景着色の工夫がもたらす日本語電子リーダーの読み速度向上
小林 潤平新堀 英二川嶋 稔夫
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2017 年 71 巻 10 号 p. J241-J246

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抄録

文章を読み進める目の動きを効率化することで,読み心地や理解度を維持したまま読み速度の向上を図るための,電子リーダー上での日本語表示方式を提案する.読者が読みやすいと感じる一行の長さは20~29文字程度であるが,既存方式では行長が短いほど読み速度は低下するため,最大速度で読むためには一行40文字程度の行長が必要という課題があった.そこで本研究では,文節にもとづく改行位置の調整および文字ベースラインを文節単位で階段状に下げていく既存手法に加えて,新たに「隔行単位の背景着色」「行間隔の拡張」「階段状の行頭インデント」「行頭文節の微振動」の4手法を組合せた表示方式を考案し,その効果を読み速度や眼球運動の点から検証した.その結果,提案方式では,読者が読みやすいと感じる一行20~29文字の行長でも,一行40文字の場合と同等の最大速度で読めることがわかった.また,読み速度の向上は,停留数の減少に起因していることがわかった.

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© 2017 一般社団法人 映像情報メディア学会
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