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盲人, とくに先天盲児は空間理解能力の獲得が困難である.本研究では, 盲児の空間理解能力獲得を支援する既存の計算機援用学習(CAI)システムに, 身体運動を伴う課題を追加した.学習者は, 運動空間内の物体の配置を自由な探索によって記憶し, ブロックで配置を再現する.システムはブロック配置の正解・訂正を判定し, 音声でその結果を知らせる.物体の種類, 配置を変えて課題を繰り返し行なうことで, 空間理解能力の獲得を支援する.このシステムおよび課題の詳細と, 目隠しの晴眼者に対して行なった実験の結果を報告する.