抄録
偏光センサーと液晶偏光フィルターを用いることにより, 反射光を自動的に抑制できる新しい撮像システムを開発した.本システムは, カメラレンズの下部に設置した偏光センサーにより反射光の偏光方向を検出し, 液晶偏光フィルターを瞬時に駆動することにより, 自動的に反射光を抑制するものである.入射光の直線偏光の割合(偏光率)を変えて光学測定した結果, 今回のシステムは偏光率が25%以上で正常に動作することが判明した.さらに実際の反射光に対しても, 本システムが機能することが確認でき, 偏光センサーによる液晶偏光フィルターの制御が有用であることが示された.しかし, 偏光センサーがレンズの画角外の偏光を取り込み, 偏光の検出精度が低下するなどの課題もあり, 今後カメラレンズのズームに連動する偏光センサーの開発が必要である.