抄録
近年、液晶表示装置(LCD)の視野角拡大を目的として各種の新しい液晶モードが開発され、上下左右方向において140度以上の視野角が達成されている。しかしながら、実際のLCDでは全方位に渡り広視野角が達成されておらず、観察方位により視野角の低下が発生する。そこで我々は、偏光板の有する問題点を究明し、光学理論に基づく設計を行うことによりすべての方位に対して光漏れの生じない広視野角偏光板の設計を行なった。さらに、この設計に基づき2軸性フィルムを作製し、偏光子と積層することにより広視野角偏光板を作製するとともに、この広視野角偏光板を実際の液晶ディスプレイに装着することで、大幅な視野角拡大効果を達成できることを確認した。