一般にプロセッサの高性能化のために,SIMD型の命令やVLIWアーキテクチャを採用すれば,逆量子化や逆DCT等の処理は効率良く行える.しかし,アルゴリズムが本質的に逐次的である可変長符号の復号処理では,何の効果ももたらさない.この問題に対処するために,VLIWアーキテクチャをベースとしたメディアプロセッサMAPCAの開発において,我々は可変長符号の復号処理専用のコプロセッサを実装した.その結果,VLIW型CPUのみを使用した場合と比較して,MPEG-4ビデオデコーダの実行性能が約3.1倍向上し,動作周波数128MHzでSIF(352x240)サイズ4本,または,QSIF(176x120)サイズ16本,30fpsのマルチストリームデコードを可能にした.